2024年6月今治市議会での活動報告|住み慣れたまちで自分らしく生きるためのネットワーク づくり

この記事で分かること
  • 身寄りのない高齢者や生活困窮者へのケアが重要課題
  • 行政、医療、介護が単独で対応するのは限界
  • 高齢者が安心して暮らせる環境の整備が必要
目次

身寄りのない高齢者や認知症高齢者、生活困窮者へのケアの課題

  • 救急搬送時の医療行為の同意や退院後のフォローが課題
  • 在宅医療の需要増加に供給が追いつかない状況
  • 身寄りのない高齢者(特に65歳以上)の支援が不足

住み慣れたまちで自分らしく生きるために例えば、身寄り無し、認知症高齢者、生活困窮者等のケアに絞ってみます。

救急搬送時の医療行為への同意。退院調整。退院後のフォロー。医療費、介護サービス費の支払い。在宅サービス担い手不足より今後の在宅医療需要に介護側の供給が追いつかない。

特に現在、身寄り無しで65歳以上、施設に入居されていない方。行政、医療、介護、単体でのケアに限界が生じ始めているのではないでしょうか。

コロナ禍における医療現場の課題とオンライン診療の導入

  • 医療現場の負担軽減と感染リスク低減を目的にオンライン診療を導入
  • 島嶼部や山間部の住民の通院負担軽減に貢献
  • 医療機関の効率化と疾病の重症化予防に効果を期待

先般は新型コロナウイルスの感染急拡大により、医療現場の逼迫や一般の診療への影響が懸念される状況にあり、本市におきましても、現場の医療負荷軽減に向けた様々な対策を講じてられました。

「オンライン診療の導入事業」は、そういった医療現場の負荷軽減を図るためだけではなく、通院に伴う感染リスクの低減、身体が不自由な方や悪天候などにより通院が困難となった場合の診療、さらには、本市特有の課題でもある島嶼部や山間部の方の通院時間や交通費の負担軽減等にも大きな効果が期待されました。

また、患者の利便性の向上により受診を継続しやすい環境を整えることにより、疾病の重症化を予防し、市民の健康増進に繋がることが期待できる一方で、医療機関の視点では、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症の院内感染防止や、経営面における業務の効率化なども期待されます。

オンライン診療の現状と導入の進展

  • 115の医療機関のうち30以上が導入に前向きな姿勢
  • 対面診療との併用で患者が安心して受診可能な環境を整備
  • 地域特性に合わせた柔軟な運用が鍵

ウィズコロナ時代の要請により、デジタル社会への急激な移行が始まり、私たちの生活にもさまざまな変化が起こりました。オンライン診療も現実のものとなってきており、全国では既に先進的な医療機関を中心に徐々にではありますが導入が進んで参りました。

約2年前でありますが、市内115の医療機関にオンライン診療導入の意向を確認したところ、30を超える医療機関から前向きな回答をいただいたことから、今回、県内の自治体では初の取り組みとなる「オンライン診療の導入にかかる補助事業費」を計上いたしました。

オンライン診療というと、まだまだ不安に感じられる方も多いと思いますが、決して患者さんに向き合わないで、全ての診療をオンラインで実施しようというのではありません。

例えば月4回の通院のうち1、2回をオンラインに切り替えるなど、対面の診療とオンライン診療を併用するといった形で、各医療機関において柔軟かつ適切な運用をしていって頂けるという事でした。

宇和島市の見守りサービスとオンライン医療事例

  • 日本郵便との連携により、スマートスピーカーを活用した見守りサービスを実現
  • 遠隔地の独居高齢者に対する診療や服薬指導を支援
  • 地域特有の課題(過疎化・核家族化)への新しいアプローチ

その後も高齢化や働き方の多様化が進むなか、医療機関に出向かなくても医療サービスを受けることができるオンライン診療の需要は、ますます高まっていることと存じ上げます。

本市といたしましては、今治市医師会と連携・協力しながら、こうした先進的医療に積極的にチャレンジいただける皆様を支援し、地域医療の一層の充実に取り組んでいかれたわけですが、先日DIJIA田甲子園2023内閣総理大臣賞をとられた宇和島市高齢者福祉課に視察して参りました。

そこで「日本郵便との協同による見守り及びオンライン医療の実践について」詳しく聞いて参りました。宇和島市は68377人の人口でうち65歳以上の人口は40.8%、27.911人です。

全国平均を45年以上回るスピードで高齢化が進むまちでもあります。

日本郵便と連携した新たな取り組みの可能性

  • メッセージ配信や服薬状況の確認をスマートスピーカーでサポート
  • 処方薬の配送や情報共有システムを構築
  • 高齢者への訪問やサービス説明を郵便局員が担うモデルを導入

宇和島市は、医療体制においても離島診療所の医師が退職。在宅診療を行う医師が少数。更に遠隔地においては時間が取られるため、医療に関わる地域格差が生じています。

過疎化と核家族化により地域コミュニティが希薄化。民生委員も高齢化。独居高齢者の見守り体制についての不安が増している。等の社会問題から、市内各所に拠点を持つ日本郵便との連携事業で新たな社会資源を生み出せないかと考え、地域の高齢者とごのご家族に安心を届けるべく、自治体とタッグで取組むスマートスピーカーを活用した郵便局のみまもりサービスを導入致しました。

スマートスピーカー活用による見守りサービスの概要

  • 健康確認メッセージ配信や生活状況の家族共有で高齢者を見守る仕組みを構築
  • スマートスピーカーを活用した遠隔診療、服薬指導、処方薬配送を実現
  • 医療・介護連携システムで診療所、調剤薬局、ケアマネジャー間の情報共有を促進

メッセージが届き「お薬は飲みましたか?」「今日の調子はどうですか」等のメッセージを利用者に自治体が情報発信していきます。

毎日の生活状況を遠方のご家族も写真、動画、メッセージ等で確認でき安堵します。

そして、スマートスピーカーを通して、遠隔地の独居高齢者も診療が可能。服薬指導も可能。日本郵便のサービスなので処方薬の配送も可能。診療所と調剤薬局で医療介護連携システムによる患者情報の共有が可能。更にケアマネとの共有も可能。

デジタル推進と活用の可能性

  • 国の「デジタル田園国家都市構想交付金」の活用を検討
  • 高齢者の定期訪問やサポートを郵便局員が実施
  • デジタル技術を用いた包括的な見守り体制を推進

デジタル推進に力を入れている本市では国の「デジタル田園国家都市構想交付金」の活用も出来るのではと考えます。

更に、提携した郵便局員が高齢者への定期的な訪問による見守りにより、薬の配達やAIスピーカー操作説明等をされています。

地域包括ケアシステム構築の必要性

  • 多機関・多職種の連携により、課題解決を図る必要性。
  • 高齢者が安心して暮らせる地域包括ケアシステムの構築が急務。
  • 地域のつながりを再構築し、「住み慣れたまちで自分らしく生きる」を支援。

今後は個別ケースに対し多機関、多職種がそれぞれ「何ができるか」を出し合い市民の課題解決をつなげるべく地域包括ケアシステムを構築していかねばばならないと考えます。

改めて、「住み慣れたまちで自分らしく生きる」ことについて本市が真剣に取組んで頂きたいと思います。

質問事項

  • 今治市の高齢化の推移はいかがでしょうか?
  • 民生委員も高齢化。独居高齢者の見守り体制についての不安が増している。

等の社会問題に対し、本市の見解をお尋ねします。

今治市の見守りネットワーク事業の現状

  • 事業者が日常業務の中で市民をさりげなく見守る仕組み
  • 異変を察知した場合、市に連絡するネットワークを構築
  • 民間企業との包括連携協定を積極的に推進

行政、医療、介護単体でのケアに限界が生じはじめている今、医師、看護師、薬剤師、リハビリ技師などの医療職や社会福祉士、保健士、など行政職員と、自治会、民生委員等地域との連携が必要になります。更に、郵便局や地元の農協、コンビニ、新聞販売店等民間事業者との連携も有効かと思われます。

現在、今治市では、支援を必要としている市民が、住み慣れた地域で安心して生活ができるまちづくりを行うため、「今治市見守りネットワーク事業」 に取り組んでいます。

「今治市見守りネットワーク事業」は、今治市内で事業活動を行っている事業者の方々に、日常の業務の中で市民に対する「さりげない見守り」を行っていただき、異変を感じた時に今治市に連絡をしていただくというものです。

見守りネットワーク事業における具体的な取り組み

  • 異変を察知する具体例(郵便物の滞留、雨戸の閉まったままなど)
  • 地域密着型の事業者と協定を結び見守りを実施
  • さらに踏み込んだ政策展開が期待される

特別なお願いをするものではありません。たとえばこんな時・・・新聞や郵便がたまっている。雨戸やカーテンが何日も閉まったままになっている。何日間も洗濯物が干しっぱなしになっている。日中なのに電気がついている、または、夕方なのに電気がついていない道に迷っている様子がみられる。

ご協力いただける事業者様とは協定を締結し積極的に民間企業との包括連携協定を結びさりげない見守りネットワーク事業に取組んでおられるわけですが、この連携を生かし、先程述べたもっと踏み込んだ政策を展開して頂きたいわけです。

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